主に拒絶理由毎の意見書・補正書の書き方について述べてある本です。
帯には、
「本書は、中間手続きに関する各種戦術を網羅したもので、発明発掘から出願権利化、無効主張に対する防御、ライセンシング・侵害訴訟等、権利行使の各段階の特許業務に長年携わってきた著者の力作です。」
とあり、その経験を生かして、こういう書き方をしたらこういう弊害があった、どうもこう書くのがいいらしい、など(守秘義務に反しない範囲にせよ)豊富な具体例を挙げて解説されているのかと思うのですが、実際はそのようなものは皆無といって良いです。またタイトルの「権利行使を考慮した」に沿った内容は禁反言の解説、意見書において徒に審査官の認定を追認するなとの記述ぐらいではないでしょうか。
書いてあるのは各手続きにおける関連法規と判例をまとめてあるだけで、この著者独自の解説はほぼ見受けられません。説明文にしろ例にしろほぼ特許庁HP記載の審査基準そのままです。
確かに条文としてはこう書いてある、それはわかる、けどそれが実際どういう形で問題になってくるの?というのが知りたいから、経験豊富な弁理士ならば色々引き出しがあるんだろうと期待してわざわざ本を買うのに、そういう情報はまるでありません。はっきり言ってこの内容なら実務経験が無くとも机上の勉強をした人間であれば書けるものです。
総合的に言って、拒絶理由対応に関する関連法規等の基本事項をまとめてある教科書としてはいいと思います。しかし、実務が知りたい、役立てたいという向きには全くお勧めできません。

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権利行使を考慮した特許出願の戦略的中間手続 単行本 – 2011/5/1
大貫 進介
(著)
- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社発明協会
- 発売日2011/5/1
- ISBN-104827109877
- ISBN-13978-4827109870
登録情報
- 出版社 : 発明協会 (2011/5/1)
- 発売日 : 2011/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 4827109877
- ISBN-13 : 978-4827109870
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,783,986位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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東京都出身、神奈川県逗子在住。1984年弁理士登録、2005年特定侵害訴訟代理人登録。
モトローラ株式会社知的財産部長を経て、現在、伊東国際特許事務所上級副所長兼外国部長。
特許の出願権利化・中間手続から無効審判、鑑定、ライセンシング、審決取消訴訟、侵害訴訟等にわたる業務に携わる全天候型戦う弁理士。
使用言語:日本語、英語、中国語
趣味:ギター演奏、セイリング
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